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歯ぎしりの原因と放置した場合の悪影響を解説

歯ぎしりというと、歯をギシギシと擦り合わせる音が特徴的ですが、歯や顎の関節に大きなダメージを与えることも忘れてはいけません。ここではそんな歯ぎしりの種類や原因、放置した場合に生じるリスクをわかりやすく解説します。

  • 歯ぎしりの原因と放置した場合の悪影響を解説

歯ぎしりの種類

歯ぎしりは、専門的に「ブラキシズム」と呼ばれており、3つの種類に分けることができます。

 

 グラインディング

グラインディングとは、上下の歯で強く噛みしめ、ギシギシと擦り合わせる行為です。いわゆる「歯ぎしり」と呼ばれるものがグラインディングに当たります。グラインディングでは、ものすごく強い力で歯と歯が擦れ合うため、歯と歯周組織に与えるダメージも極めて大きいです。

 

タッピング

タッピングとは、上下の歯をカチカチと接触させる行為です。タッピングが習慣化すると、歯が欠けたり、摩耗したりすることがあります。

 

クレンチング

 クレンチングとは、上下の歯で強く噛みしめる行為です。一般的には「噛みしめ」や「食いしばり」と呼ばれ、歯や歯周組織だけではなく、顎の関節にも大きな負担を与えます。

 

歯ぎしりの原因

歯ぎしりの原因は、主に4つに分けられます。

 

睡眠時ブラキシズム

睡眠時ブラキシズムとは、眠っている最中に起こる歯ぎしりです。無意識に行っているものなので、本人は気付きにくいです。一緒に眠っている家族やパートナーが指摘することで自覚するケースがほとんどといえます。

 

そんな睡眠時ブラキシズムは、ノンレム睡眠(深い眠り)からレム睡眠(浅い眠り)に移り変わる時に起こりやすくなります。また、就寝前にアルコールやカフェインなどを摂取すると、睡眠の質が下がり、歯ぎしりが悪化するため注意しましょう。

 

TCH(歯列接触癖)

TCH(歯列接触癖)とは、「上下の歯を接触させる癖」を意味します。本来、私たちの歯が接触するのは、食事や会話の時に限られます。その時間をすべて合わせても20分未満となります。これが20分以上となるとTCHが疑われます。いわゆるタッピングと同じように、歯と歯が習慣的に接触することで、歯および歯周組織にダメージが蓄積していきます。

 

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、酸性の強い胃液が食道へと逆流することで、食道の粘膜に潰瘍などが生じる病気です。胃液が逆流してくると、それを防ごうと無意識のうちに歯ぎしりや歯の食いしばりを行ってしまうことがあります。とくに睡眠時にはグラインディングやクレンチングが起こりやすいです。

 

激しい運動・過度の集中

運動をしているとき、ここぞというタイミングで歯を食いしばった経験は誰しもあることかと思います。実際、歯を食いしばることで力を入れやすくなります。また、何かに集中しているときも無意識のうちに歯を食いしばることがあります。そんな激しい運動や過度の集中も歯ぎしりの原因となります。

 

歯ぎしりを放置することのリスク

歯ぎしりは、放置することで次に挙げるようなリスクが生じます。

 

歯を摩耗させる

歯ぎしりが習慣かすると、歯が徐々に摩耗していきます。歯がもろくなると、欠けたり、折れたりすることもあるので注意しましょう。

 

象牙質知覚過敏症を発症する

歯ぎしりによってエナメル質が削られていくと、その下に存在している象牙質が露出します。露出した象牙質は、冷たいものや熱いものを敏感に感じ取ります。これは象牙質に神経が分布しているからです。その結果生じるのが象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)」です。

 

詰め物・被せ物が脱落する

詰め物や被せ物は、想定外の力がかかると、脱落することがあります。レジンやセラミックの場合は、「修復物が欠ける」ということもあります。

 

顎関節症を引き起こす

歯ぎしりによる強い圧力は、歯や歯周組織だけではなく、顎の骨や筋肉にも負担を強いります。とくに、顎関節にかかる負担は大きく、顎関節症を引き起こすことも珍しくありません。

 

歯周病を悪化させる

歯周病は、歯周組織に炎症が生じる病気です。歯ぎしりによって強い力が加わることで、歯茎や歯槽骨の炎症が悪化し、歯周病の進行も促進させます。

 

咬合性外傷を引き起こす

歯ぎしりや食いしばりを続けていると、歯根膜を始めとした歯周組織にダメージが蓄積します。その結果、「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」と呼ばれる歯周組織の病気を引き起こすことがあります。咬合性外傷は、歯周病と同じように歯茎や歯槽骨が破壊されていく病気です。

 

歯並びが悪くなる

歯に対して強い力がかかり続けると、歯が移動を始めます。すると、歯並び全体が乱れ、かみ合わせにも異常が生じます。

 

まとめ

このように、日常の中で無意識に行っている歯ぎしりは、歯や歯周組織、顎の関節にまで大きな悪影響を及ぼします。今現在、特別な症状が現れていなくても、将来的には深刻な病態へと発展する可能性もあります。それだけに、歯ぎしりなどのブラキシズムが疑われる場合は、一度歯医者さんに相談することをおすすめします。歯科では、マウスピースを用いたスプリント療法などで、歯ぎしりの治療を行っています。