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親知らずの抜歯後にタバコを吸ってはいけない理由

喫煙者の方は、医療行為を受けたあとに「2~3日はタバコを控えるように」と注意されることが多いですよね。それは親知らずを抜歯したあとにも当てはまります。毎日タバコを吸われている方にとって、2~3日の禁煙は耐え難いものと感じるかもしれませんね。けれども、抜歯直後に喫煙するとさまざまなリスクが生じるため、十分な注意が必要です。

  • 親知らずの抜歯後にタバコを吸ってはいけない理由

抜歯後にタバコを吸ってはいけない理由

 

傷の治りが遅くなる

抜歯後は、歯茎と顎の骨にケガを負った状態となります。私たちの身体には自然治癒する力が備わっているので、安静にしていれば傷が徐々に治っていきます。これは傷口に血液が供給され、さまざまな治癒効果をもたらすからです。タバコを吸うと、ニコチンの血管収縮作用により、傷口への血液供給が滞ります。その結果、傷の治りも遅くなるのです。

血餅が作られにくくなる

私たちの身体は、傷口ができるとその表面をまず血餅(けっぺい)と呼ばれるゼリー状の物質で覆います。いわゆる“かさぶた”のようなもので、これができなければ傷口の保護や修復が不可能となります。血餅は血液を材料として作られるものなので、喫煙によって血液供給が滞ると、血餅の形成も阻害されます。

細菌感染のリスクが高まる

抜歯直後は、傷口が開いた状態ですので、細菌感染のリスクが生じています。正常であれば、血餅が形成され、口腔内も唾液で湿った状態が保たれているので、細菌感染のリスクは低くなっています。タバコを吸うと血液供給が減ることで、免疫を担当する細胞も活動しにくくなります。また、唾液の分泌も低下することから、唾液による抗菌作用や殺菌作用も期待できなくなります。その結果、細菌感染のリスクが高まるのです。

薬の作用が弱くなる

抜歯をした後には、痛み止めや化膿止めが処方されますが、タバコで薬の作用が弱まることがあります。これはタバコに含まれるニコチンが毛細血管を収縮させて、血液の供給を抑制するためです。

抜歯後の喫煙で生じる「ドライソケット」について

抜歯後に喫煙すると、激痛を伴うドライソケットを発症することがあります。

ドライソケットとは?

ドライソケットとは、抜歯によって生じた穴が塞がらず、細菌感染を起こしてしまう病気です。極めて強い痛みを伴うのが特徴です。抜歯後、喫煙することで血餅の形成が阻害されたり、頻繁にうがいをしたりすることで発症します。抜歯後に「あまりうがいをしないでください」と注意されるのはそのためです。せっかく形成された血餅が流されてしまうのです。

痛みが長期間継続する

抜歯後の痛みは、一般的に2~3日で和らぎますが、ドライソケットになると数週間続くことも珍しくありません。日常生活に支障が出るほどの激痛であるため、可能限り予防することが大切です。その上で抜歯後の禁煙は必須といえます。

歯性感染症のリスクが上昇する

ドライソケットになると、歯が埋まっていた歯槽骨に細菌感染が起こることがあります。病態がさらに悪化すると、首のリンパ節や顎骨の骨膜など、広範囲に細菌感染が広がっていきます。このように歯が原因で生じる感染症を総じて「歯性感染症」といいます。

禁煙の目安について

抜歯後は2日間程度の禁煙を求める先生が多いことかと思います。先生によっては「抜歯当日だけ禁煙してください」と指示するケースもあります。基本的には主治医の指示通りに行動しましょう。とはいえ、親知らずの抜歯後の傷口が落ち着くまでには、1ヶ月ほどかかります。その点を踏まえると、タバコを控える期間は長ければ長いほど良いといえます。

まとめ

このように、親知らずの抜歯後にタバコを吸うと、ドライソケットや細菌感染など、さまざまなリスクが生じるため、可能限り禁煙するのが望ましいです。