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むし歯の進行を早める習慣、遅らせる方法

むし歯は、一度発症すると自然に治らない病気です。治療を受けずに放置すれば、時々刻々と病態が進行していきます。そこで気になるのがむし歯の進行を早める習慣や遅らせる方法ですよね。むし歯の進行に影響を与える要因を知ることで、失う歯質の量を大幅に減らすことも可能となります。

  • むし歯の進行を早める習慣、遅らせる方法

むし歯の進行を早める習慣とは?

糖質の過剰摂取

むし歯の進行は、「むし歯菌の活動」と直結しています。むし歯菌のエサとなる糖質の摂取が多くなるほど、歯を溶かすという活動も活発化していきます。ちなみに「糖質」とは、砂糖であるスクロースだけではなく、ご飯やパン、パスタを構成している炭水化物全般が該当することを忘れてはいけません。

頻繁な間食・長時間にわたる飲食

私たちが普段口にしている食品の大半は、酸性度が高くなっています。お口の中が酸性に傾くと、むし歯菌の活動が活性化されることから、食べ物を摂取する回数や時間は、しっかり管理する必要があるのです。頻繁な間食や長時間にわたる飲食は、お口の中が酸性に傾く時間も長くなるため、むし歯の進行を早める要因となります。

不十分なオーラルケア

日々のオーラルケアが不十分だと、お口の中に食べかすやプラークなどが堆積していきます。これはむし歯菌の繁殖に有利な環境なので、自ずとむし歯の進行も促進されます。

むし歯の進行を遅らせる方法とは?

正しいブラッシングを実践する

むし歯の進行を遅らせる上で、何より重要なのは「正しいブラッシング法」を身に付けることです。歯磨きの仕方が誤っていると、今あるむし歯の進行を早めるだけではなく、新たなむし歯の発生も促してしまいます。ブラッシング法に自身のない人は、歯医者さんでブラッシング指導を受けることをおすすめします。

食習慣を改める

朝昼晩の3度の食事に加え、間食に関してもむし歯が進行しにくい方法に改めるようにしましょう。つまり、「お口の中が酸性に傾く時間」を最小限に抑えるよう、配慮する必要があります。とくに間食の回数や時間、その内容に関してはプロのアドバイスを受けながら、最善といえる習慣を身に付ける必要があります。

代用甘味料をとり入れる

糖質の摂取が過剰な人は、代用甘味料をとり入れることで、むし歯の進行を大きく遅らせることができます。キシリトールやエリスリトールのような代用甘味料であれば、砂糖のように甘くはあるものの、むし歯菌のエサとはならないからです。

乳酸菌によるバクテリアセラピー

ヒト由来の乳酸菌である「L・ロイテリ菌」は、むし歯菌や歯周病菌の活動を抑える作用が期待できます。そんな乳酸菌によるバクテリアセラピーは、液体タイプやタブレットタイプの薬剤を活用することで実践できます。

サホライドによるむし歯の進行停止

歯医者さでは、「サホライド」と呼ばれる薬剤を使って、むし歯の進行を停止させることがあります。歯科治療が怖い方や治療に非協力的な子どもに対して適応されるものです。むし歯の進行を遅らせる、という観点では最も効果の高い方法ですが、歯が黒く着色するというデメリットがあるため、適応は一部のケースに限られます。

乳歯と永久歯のむし歯の進行度の違い

むし歯の進行速度を考える上で、乳歯と永久歯の違いについて知ることは非常に重要といえます。なぜなら、乳歯のむし歯の進行は、永久歯よりもかなり早いからです。

乳歯のむし歯の進行が早い理由

乳歯の歯質は、永久歯よりも未成熟です。「歯がやわらかい」と表現した方がわかりやすいかもしれませんね。その分、むし歯菌の酸によって溶かされやすくなっています。さらに、乳歯のエナメル質と象牙質は、永久歯の半分の厚みしかないことから、一度むし歯にかかるとどんどん進行していってしまうのです。

永久歯のむし歯の進行は遅い?

乳歯が永久歯よりむし歯の進行が早いことは確かです。発見や治療が遅れると、あっという間に重症化してしまうため十分注意する必要があります。かといって、「永久歯のむし歯の進行は遅い」と決めつけるのは良くありません。むし歯の進行速度は、歯質だけに左右されるものではないからです。

進行度に応じたむし歯の治療法

むし歯の治療法は、進行度に応じて変わります。ここでは、初期のむし歯から末期のむし歯まで、それぞれの症状を解説しながら、治療法についても簡単にご紹介します。

初期のむし歯(CO)

発生して間もないむし歯です。歯の表面に穴があいておらず、白いシミが認められます。この段階では、歯を削る必要はありません。フッ素を塗布して、歯の再石灰化に努めます。正しい歯磨きの方法を実践することも不可欠です。

エナメル質のむし歯(C1)

エナメル質の比較的浅い穴が生じた段階です。歯痛は生じませんが、むし歯菌に感染した歯質を削る必要があります。欠損部にコンポジットレジンを充填することで、治療は完了します。

象牙質のむし歯(C2)

象牙質にまで到達する、較的深い穴が生じています。冷たいものや甘いものしみるようになります。病変を取り除き、歯質を削ったあとに詰め物や被せ物を装着します。

歯の神経まで侵されたむし歯(C3)

歯の神経である「歯髄(しずい)」まで、むし歯菌に侵された状態です。非常に強い痛みが生じます。歯髄を抜いて、根管治療を行う必要があります。歯の根の治療が完了したら、被せ物を装着します。治療期間は数ヶ月に及ぶのが一般的です。

歯冠が崩壊したむし歯(C4)

歯冠の大部分が溶かされ、歯根だけになった状態です。歯の神経は死んでいるので、歯痛は消失しています。むし歯がここまで進行すると、抜歯が適応されるケースがほとんどといえます。抜歯後は、ブリッジや入れ歯、インプラントなどで欠損部を補います。

まとめ

このように、むし歯の進行はさまざまな習慣で促進されると同時に、心がけ次第でその速度を緩めることも可能です。とはいえ、むし歯は早期に治療を始めるに越したことはないので、病変を自覚した時点で歯医者さんに診てもらうことをおすすめします。